2013-05-08

WMO Manual on Codes の 2013年第1回ファストトラック改正(BUFR・共通符号表)

昨日の続き。

2.BUFR

(1)CGMS提案衛星関係

CGMS から五月雨で提案が出てきたというか、各国の提案をとりまとめたので、チケット
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/140 はいささか読みにくいですが、整理すると次のようになります。

a.Cryosat−2関係

ESAの地球観測衛星
http://www.wmo-sat.info/oscar/satellites/view/39

追加内容:
 衛星 Cryosat-2 (C-5:47)
 測器 SIRAL (C-8:177)

b.COMS関係

韓国の静止気象衛星
http://www.wmo-sat.info/oscar/satelliteprogrammes/view/23

追加内容:
 衛星分類 COMS (0-02-020:281)

衛星番号や測器番号は、まあ、そのうちでてくるのでしょう。

c.しずく関係

日本の地球観測衛星
http://www.wmo-sat.info/oscar/satellites/view/130

追加内容:
 衛星分類 GCOM (0-02-020:122)
 衛星 GCOM-W1 (C-5:122)
 測器 AMSR2 (C-8:478)

d.ひまわり関係

日本の静止気象衛星
http://www.wmo-sat.info/oscar/satelliteprogrammes/view/72

追加内容:
 衛星分類 Himawari (0-02-020:273)
 衛星 Himawari-8 (C-5:173)
 衛星 Himawari-9 (C-5:174)
 測器 AHI (C-8:297)

日本の運輸多目的衛星
http://www.wmo-sat.info/oscar/satelliteprogrammes/view/71

変更内容
 測器 C-8:294 を JAMI に改称
 測器 C-8:295 を IMAGER/MTSAT-2 に改称

e.仏・印関係

追加内容:
 測器 AltiKa (C-8:62)
 http://www.wmo-sat.info/oscar/instruments/view/21
 測器 MADRAS (C-8:942)
 http://www.wmo-sat.info/oscar/instruments/view/271

f.多種衛星混合プロダクト用の衛星番号

追跡風なんかでそういうプロダクトを作るという説明です。

追加内容
 衛星 "Non specific mixture of geostationary and low earth orbiting
satellites" (C-5:854)

(2)米国提案ゾンデ用センサー

ゾンデ用の気圧、温度、湿度センサーが追加になっています。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/147

(3)米国提案、作成中枢 UCAR

作成中枢番号(C-1/C-11, RSMC東京なら34)に UCAR (175) が追加になりました。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/149

(4)微量気体としての酸素

大気には無数の微量気体があり、これらの濃度を表わすにそれぞれGRIBパラメータ・BUFR要素番号を割り当てていると番号が枯渇するので、共通符号表 C-14 に登録した微量気体番号と、種別を捨象したパ
ラメータ(0-18-10 Air concentration [Bq.m-3], 0-20-0 Mass density [kg.m-3]
など)や要素 (0-15-027 Concentration of pollutant [mol.mol-1] など) を使うようになっています。

さて今般米国が酸素 O2 を微量気体として登録提案してきました。対流圏では酸素濃度の予報などあり得ない話で、聞いてみると、宇宙天気関係プロダクトに使いたいからだそうです。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/150

(5) AEOLUS 関係

ESA のウィンドプロファイラ衛星 AEOLUS に C-5:48 が割り当てられました。
2015年以降打ち上げ予定だそうです。
http://www.wmo-sat.info/oscar/satellites/view/4
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/151

(6)副中枢指定関係

ルクセンブルク(227-1)、オーストリア(78-224)、EUMETSAT(78-254) が割り当てられました。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/152

2013-05-07

WMO Manual on Codes の 2013年第1回ファストトラック改正(GRIB関係分)

WMO Manual on Codes の本年第1回ファストトラック改正が4月23日に成立しました。発効は5月8日からです。明日ですね。
WMO Operational Newsletter の CODES って見出しのあたりに掲示があります。
http://www.wmo.int/pages/prog/www/ois/Operational_Information/Newsletters/current_news_en.html

以下、Redmineチケットは自分の覚えのためにつけているものです。

1.GRIB

(1)プロダクト定義テンプレート 4.33 と 4.34 が追加されました。
これらは、数値予報に基づいて放射モデルを動かして予想された雲画像相当品のためのものです。前者は瞬間値、後者は時間統計値です。ECMWF提案で気候再解析のために使うんだそうです。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/92

(2)ランベルト正積方位図法が追加になりました。
これもECMWF提案で、洪水予報に使われるのだそうです。気象ではふつう正角図法を使いますが、利用ドメインによっては正積図法の地図に重ね合わせできるプロダクトが求められることもあるのでしょう。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/93

(3)陸面分類別被覆率ためのプロダクト定義テンプレート 4.53 および 4.54 が追加になりました。
これもECMWF提案で、IFSのために開発中の陸面モデルでは各格子が単一の植生区分ではなく、20種類(符号表4.234として追加されたが変更も可能)の植生分布あるいは7種類の土壌(符号表4.236)それぞれの割合が各格子に与えられるんだそうです。陸面モデルの計算負荷が増えてもどうってことないから精緻化したいというと聞こえはよいですが、増えすぎた自由度をどのように検証しているのやら。まあとにかく開発中でも提案してきます。
http://redmine.toyoda-eizi.net/issues/94
あれ、でも、よく考えたら、別の符号表を追加していって番号が255を超えたらこのテンプレートは使えなくなるよね。まあ、そんなことはあまりないだろうけど。

2.BUFR

あとで作業します。