2014-08-28

スウェーデンの地上気象観測報(SYNOP)がエッセンシャルデータ(利用制約なし)に指定替えとなります

とつぜんそんなことを言っても説明が要りますかな。

世界の気象機関は世界気象機関(WMO)の調整のもとで観測網を構成し、観測データをリアルタイム交換しています。そのデータの扱いについては第12回総会決議40が定めるところです。データを発信する国が、エッセンシャル(利用制約なし)とアディショナル(商用再輸出を禁止できる)の2類型から1つに選べるのです。

WMO Resolution 40 (Cg-XII)
http://www.wmo.int/pages/about/Resolution40_en.html

なぜそんなものができたのか、というあたりはこのへんみてください。

佐伯理郎(1995): 気象データ・プロダクトの国際交換をめぐって, 天気, 42.10, pp.695-793.
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/1995/1995_10_0695.pdf

さて、欧州の結構な数の国が高頻度または高密度の地上気象観測報(FM12 SYNOP という電報形式で通報されるので SYNOP報とよばれる)をアディショナルに指定しました。高頻度または高密度、というのは、RBSN観測網の6時間毎の観測はエッセンシャルにしなければならないと決められているのでそれ以外、ということですね。

スウェーデンもその一部であったわけで、多数の電文がアディショナルに指定されていました(電文カタログ http://toyoda-eizi.net/wmo9/volc1/cccc/ESWI/ )。それが今回エッセンシャルに指定替えとなります。

Sourece: WMO Operational Newsletter
http://www.wmo.int/pages/prog/www/ois/Operational_Information/Newsletters/current_news_en.html

2014-08-27

PowerShell で wget みたいなことをする例

Windowsはコマンドラインツールがしょぼいが、その代わりに .NET だか COM だ
かのクラスライブラリを使って PowerShell プログラミングするべきものである
らしい。

@IT: PowerShellを使って指定したファイルをインターネットからダウンロードする
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/win2ktips/995dlfile/dlfile.html

2014-08-26

最近の技術情報・お知らせから(目撃情報を活用した竜巻注意情報、オゾンGPV高解像度化、ハイパースペクトル赤外サウンダ同化開始)

●技術情報第400号 気象庁防災情報XML形式の電文配信に用いるデータ種類コード
について(その7)
http://www.data.jma.go.jp/add/suishin/jyouhou/pdf/400.pdf

竜巻注意情報の改善に伴って従前のデータ種類コード VPHW50 に加えて VPHW51
を新設するというのです。
データ種類コードと英字官署名(WMO電文ヘッダの TTAAii と CCCC に相当)の
リストがあります。

内容については既出の技術情報第397号にあります。VPHW51 は「目撃情報を活用
した竜巻注意情報であることを機械的に判別できるようにした」ものだそうです。
http://www.data.jma.go.jp/add/suishin/jyouhou/pdf/397.pdf

●技術情報第401号 平成26年10月からの紫外線情報に用いる化学輸送モデルの変
更及びオゾン全量データの高解像度化について
http://www.data.jma.go.jp/add/suishin/jyouhou/pdf/401.pdf

オゾン全量データGPVが2.5度格子から1.25度格子になるそうです。他人事のよう
にいっていますが、いや、まあ、他所の主管ですからね。

●技術情報第402号 ハイパースペクトル赤外サウンダデータの利用開始について
http://www.data.jma.go.jp/add/suishin/jyouhou/pdf/402.pdf

NASAの衛星Aqua搭載のサウンダAIRS, EUMETSATの衛星METOP-AおよびMETOP-B搭載
のサウンダIASIのデータをGSMで同化開始します。
この変更により、GSMの初期値の精度が改善し予測精度が向上します。

AIRS http://www.wmo-sat.info/oscar/instruments/view/16 は2002年から、
IASI http://www.wmo-sat.info/oscar/instruments/view/207 は2006年からあって、
これを使いこなすことは長年の課題だったので、けっこう画期的なことです。

データフォーマットは変わりません。

●お知らせ(目撃情報を活用した竜巻注意情報は9月2日13時から)
気象振興協議会HP http://www.w-shinkou.org/ によりますと、26日付で、竜巻
注意情報の改善の実施時期についての第2回めのお知らせがでているそうです。
このお知らせそのものは未見ですが、内容的に 報道発表に書いてあることに尽
きると思います。

平成26年8月26日 報道発表資料 目撃情報を活用した竜巻注意情報の提供
を開始します
http://www.jma.go.jp/jma/press/1408/26a/tornado_140826.html

2014-08-20

OASIS ODF のスキーマは RELAX NG なんだそうな

Source: 村田真のXMLブログ

XAdESとODF/OOXML/EPUBとRELAX NG
http://www.xmlmaster.org/murata/xmlblog/xb140423.html

某UMLモデラーが RELAX NG is dead とか言っていたが、ポジショントークに騙
されてはいけない。

2014-08-10

気圧の海面更正の方式について

{おことわり:完結した調査ではありません。もうすこし調べるといろいろひっくり返るかもしれません。}

地上気象観測では、 現地気圧に加えて海面更正気圧というものを通報することになっています。その方式が諸国まちまちであるという話です。

2014-08-08

国際保健規則の位置づけ

保健方面の人には常識なのだろうけれど。

Kotobank: 国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態
http://kotobank.jp/word/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E7%9A%84%E3%81%AB%E6%87%B8%E5%BF%B5%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B%E5%85%AC%E8%A1%86%E8%A1%9B%E7%94%9F%E4%B8%8A%E3%81%AE%E7%B7%8A%E6%80%A5%E4%BA%8B%E6%85%8B

国際保健規則によって国際法上の根拠が与えられるらしいです。

厚生労働省:国際保健規則 日本語(仮訳)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kokusaigyomu/kokusaihoken_j.html

世界保健機関憲章に根拠があるらしいです。

外務省:世界保健機関憲章
http://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000026609.pdf#page=15
※ ぐぐって拾ったので最新かどうかはわかりません

第21条 (a) によって保健総会(health assmbly) が保健規則を定める権限を
持っているのだそうです。

世界気象機関条約第8条(a) に相当するのはWHO憲章第22条なのでしょう。
http://library.wmo.int/pmb_ged/wmo_15-2012_en.pdf#page=17