2013-03-28

JPEG2000について 続き(ウィキペ、特許問題、ファイル形式は公表されている)

ちょっと補足。

1.ウィキペディア記事は見るに値する。

http://en.wikipedia.org/wiki/JPEG-2000

2.jp2 ファイル形式は公表されている。

http://www.jpeg.org/public/15444-1annexi.pdf

http://www.jpeg.org/jpeg2000/CDs15444.html

3.特許問題があるようだ。

http://en.swpat.org/wiki/JPEG_2000
http://www.codinghorror.com/blog/2007/02/beyond-jpeg.html

弁護士じゃないし、そもそも JPEG2k の技術的内容をこれから検討しようという状況なので、あてになるようなことは何も言えないが…

ISO 15444-1 の Annex L は ISO に対して特許があると言ってきた者のリスト(17社)を挙げてつつ、他にもあるかもしれないので責任はもたんと言っているけれど、そんなことを言っていては普及しないことは策定関係者もよく自覚していて、ロイヤルティフリーにはするように話をとりまとめているようではある。

http://en.wikipedia.org/wiki/JPEG-2000#Legal_issues
http://www.itscj.ipsj.or.jp/forum/forum20050907/5Current_status_of_JPEG%202000_Encoder_standard.pdf

Firefox はサポートしていないので、議論があるが、特許問題が主因では必ずしもなく、
JPEG-XR など色々他にもある中で、普及していない物に労力をかける判断に至っていない、というべきなのだろう。

https://bugzilla.mozilla.org/show_bug.cgi?id=36351#c129

ImageMagick は JasPer まかせで俺は知らんとの立場。

http://www.imagemagick.org/discourse-server/viewtopic.php?f=1&t=19918

この違いは、セキュリティ対応体制の差と、依存ライブラリをひっくるめたバイナリ配布をしているか否かなど複数の要因によるだろう。

2013-03-27

Jpeg2000 の画像ファイルを読んでみる

諸般の事情で JPEG2000 圧縮されたデータを読まなければいけないことになった。

JPEG というと画像だろうと思われるかもしれないが、GRIB第2版なんかでも使われている。ただ、Data template 7.40 を見ると

Octet No. 6-nn: JPEG 2000 code stream as described in Part 1 of the JPEG
2000 (ISO/IEC 15444–1:2000)

とだけあって、ぜんぜんブラックボックス化している。で、ISO規格票
http://www.iso.org/iso/catalogue_detail.htm?csnumber=37674
が 238 フランもするので、なかなか手が届かない。しかしこの規格は ITU-T T.800
でもあるのだ… http://www.itu.int/rec/T-REC-T.800/en と見に行くと、なんとISOが話をつけていて特別にお買い求めくださいとかなっている。

いろんな人がやってきて、jasperのリファレンスマニュアル読んで関数呼び出すだけでいいんだよ、大人になろうよというのだが、規格票に照らして正誤を確認できないプログラミングなんかナンセンスであって、まあ、なんかググると
http://www.jpeg.org/public/fcd15444-1.pdf とか怪しげなものが引っかかるが、けっこうこいつは古くてぜんぜんだめである。かかる非オープン標準なんぞ断固として相手にしないと忌み嫌ってきたのだが、まあ、いろいろあって、そうもいかなくなってきたという浮世の悲しさ。すべて貧乏が悪いのよ。

なお、私の説明は雑なのでお読みになった諸兄にいかなる損害を生じても一切関知しない。繰り返すが、私と同程度のパラノイアであったなら、今すぐISO に238フランを払ってすぐにダウンロードしてほ
しい。なお、買ったのに意味不明だったと言われても関知しない。投資は自己責任でお願いいたします。

さて、規格票を概観すると本文と Annex A から Annex L からなる。本文は超ざっくりいって用語の定義である。で、 .jp2 ファイルフォーマットの説明は Annex I である。本当は
コーデックの吐いた code stream だけに興味があるのだけど、例を得るためにはファイルを用いるので、まず確認しておこう。

ファイルはボックスの羅列である(ボックスの中にボックス列が入ることもある)。ボックスは可変長のデータ構造で先頭4オクテットがビッグエンディアンのオクテット数で、ボックス長にはこの4を含む。Fortranのシーケンシャルファイルとは違って後ろにボックス長はつかない。ファイルの最後のボックスについてだけ長さ不明を示す0が許される。シークしないで書けるのはすばらしい。なかなかいいヒントをもらった。
ボックス長の次にはボックス種別を指示する4オクテットが続いていてこれは
printable な文字から選ばれている。
ボックス長が4ギガバイトを超える場合は、ダミーの1を埋めて、ボックス種別のあとに8オクテットで書く。

まるでXMLのように種別ごとに必須性、反復可能性、内部にボックス列を含むか否かがきまっていて、大略こうである。

jp, ftyp, jp2h{ ihdr bpcc? colr+ pclr? cmap? cdef? res{ resc? resd? }?},
jp2c+ & jp2i? & xml* & uuid* & uinf{ ulst? url? }*

で、細かい説明をすっとばして、8ビットグレイスケールのファイル先頭はこんなふうになる。

00000000  00 00 00 0C 6A 50 20 20 - 0D 0A 87 0A 00 00 00 14 ....jP  ........
00000010  66 74 79 70 6A 70 32 20 - 00 00 00 00 6A 70 32 20 ftypjp2 ....jp2
00000020  00 00 00 2D 6A 70 32 68 - 00 00 00 16 69 68 64 72 ...-jp2h....ihdr
00000030  00 00 00 BF 00 00 01 40 - 00 01 07 07 00 00 00 00 .......@........
00000040  00 0F 63 6F 6C 72 01 00 - 00 00 00 00 11 00 00 00 ..colr..........
00000050  00 6A 70 32 63          -                         .jp2c

[0x30-0x33] = 0xBF が高さ、 [0x34-0x37] = 0x140 が幅、[0x3a] = 07 が深さから1を減じたものである。あとは固定値か、違っていればグレイスケールではないかへんてこなメタデータが存在することを示している。

その次のオクテットからが本題である。が、疲れたので今回はここまで。また次回お楽しみに(ないかもしれません)。

Cygwin + gcc4 で cygwin1.dll などのいらない Windows 実行ファイルを作る

ほとんど次のブログ記事できまりなのだが、パッケージ名は mingw64-i686-gcc-core
でいいのだけど、コマンド名が i686-w64-mingw32-gcc になるのがわからなくて、
cygcheck せざるを得なかった(その方法もブログに書いてある。親切だ)

Cygwinでcygwin1.dllフリーなWindows実行ファイルを作る (MinGW-w64) - wltの日記
http://d.hatena.ne.jp/wlt/20111231/1325289060

2013-03-22

さいきんのCF標準名は長すぎやしないか

WMOでは現在、論理データモデルといって、地理情報標準 ISO 19156 Observations
and measurements を拡張してすべての気象データを表わすことのできる応用スキーマを開発中です。地理情報標準とは、正直手にあまるので http://www.gsi.go.jp/GIS/stdind/nyumon.html あた
りみてください。

具体的にやっていることは
http://www.wmo.int/pages/prog/www/WIS/wiswiki/tiki-download_wiki_attachment.php?attId=2123
あたりでも見るとわかるか(かえってわからなくなるかも)と思いますが、データを物理量の identification と単位その他もろもろと値を直交分離するという美しい構想
(なんだそう)です。すると、all WMO wide で調整された物理量の表のようなものがほしいから作るのを手伝ってくれという話がきたので、まずは既存の表を同じフォーマットにしてみました。

GRIB2 Table 4.2
http://toyoda-eizi.net/xmlvw/gmdct_html/http://toyoda-eizi.net/2013/0315tdcftable/GRIB2_10_0_0_CodeFlag_en.xml
BUFR/CREX Table B
http://toyoda-eizi.net/xmlvw/gmdct_html/http://toyoda-eizi.net/2013/0315tdcftable/BUFRCREX_19_0_0_TableB_en.xml
CF Standard Name
http://toyoda-eizi.net/xmlvw/gmdct_html/http://toyoda-eizi.net/2013/0315tdcftable/CFv22.xml

都合により表の形式が得体のしれない ISO 19139 ですが、まあXSLスタイルシートがかけてあるのでブラウザで眺める分にはきにならないでしょう。

ところが CF の標準名が長いのであきれました。一番長いのは「tendency_of_atmosphere_mass_content_of_particulate_organic_matter_dry_aerosol_expressed_as_carbon_due_to_emission_from_residential_and_commercial_combustion」(http://goo.gl/cDiog)で156文字もあります。表が崩れるので慌てて CSS に手をいれました。

まあ、いちおう命名法
http://cf-pcmdi.llnl.gov/documents/cf-standard-names/guidelines があってこうなっているのはわかるのですが、それにしてもツイッターにも書けない長い名前はちょっとどうかと思いました。

GRIB2負の予報時間の件つづき

ECMWF GRIB API のメンテナのエンリコも入ってきました。ソフトウェア挙動に文句をつけられたのだから当然ですね。
https://groups.google.com/a/wmo.int/d/msg/cbs-ipet-drmm/IZMyfxgkSc8/qlSnyavWgZsJ
私のコメントと同趣だが細かいことを言わず例を出せというのはうまいやりかたです。


ところで、彼の話ででてきた
http://www.ecmwf.int/publications/manuals/d/gribapi/fm92/grib2/show/sections
は一義的には GRIB API ソフトウェアのリファレンスなんだけど、GRIB2 そのもののリファレンスとしても有用でしょう。

2013-03-19

単位記号はプレーンテキストでは旧ISO 2955によるべきだと思うが、Unicodeに上付き数字があると言われると反論できないので文字コードを貼っていきますよ

中央列の文字の一つでも見えない、読めないほどつぶれている、あるいは左列と区別できないのであれば、ISO 2955 を廃止した連中に文句を言ってください。私も極力避けようとはしているけれど、UTF-8 ならなんでもありの文脈ではいかんともしようがありません。

base lettersuperscriptentity reference
-⁻
0⁰
1¹¹
2²²
3³³
4⁴
5⁵
6⁶
7⁷
8⁸
9⁹

あと、もっと悪趣味したいなら、Unicode の Superscripts and Subscripts Block をご参照のこと。

気象学会機関紙「天気」2013年1月号を読んで

1月号がウェブに出てきたので
http://www.metsoc.jp/tenki/result.php?no[]=1&volume[]=60&page_max=50&sort=ASC
読書ノート。

・巻頭言(新野宏)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0003.pdf

ぼやっと読むと、公益社団法人たるために不特定多数に裨益しなければならないと言われたから、ジャーナルをオープンアクセス化するというロジックにみえてしまうけど、時系列をよくみれば学会が内閣府に指導されたという図ではないことがわかる…はず。

学会費払ってない人に裨益するのはけしからんとか心の狭いことを言う人がいたらこれからの情報流通を考えるとオープンアクセス化しないことは自らの価値を棄損するだけとがんばってほしいです。

・気象観測史的に見た気象官署における1958年2月11日のオーロラー観測(二宮洸三)


http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0021.pdf

さりげなく「IGY当時は有人気象官署が最も拡充された時期であり」と書いておられるのが胸に刺さります。

1960年代のスタイル、あるいは観測から予報まで人手による業務をアプリオリの価値とするならば、ここ50年間は後退戦ともいえます。が、感傷にひたっていても何も生まれません。ひとまず現場としてはどうやって文明を維持していくかと考えなければなりません。

本題についても考えさせられるところです。参加することに意義がある、で済ませるわけにはいかないでしょうから。

・気象観測とデータ(二宮洸三)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0037.pdf

「2.気象観測の目的」が印象的です。今は防災にとにかく重点がおかれるわけですが、必ずしもすべてが防災だけではないし、「約1世紀以前では、国土自然環境の基本情報である気候状態の把握が重要な目的でした」というのが目を開かれる思いがします。そういえば函館は最初「気候測量所」と称したし、東京気象台は内務省地理寮だったわけです。

・北極低気圧(田中博)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0043.pdf

熱帯低気圧、温帯低気圧にならぶ第3類型として教科書にあげられるべきというんです。


寒気核で乾燥しているって、惰性で回転しているだけなんですかね。

・地域気象観測ネットワーク「学校気象台」—岩手大学発信地域連携事業— (名越さんほか)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0057.pdf

政府機関または地方公共団体以外の方が、観測結果をインターネットで提供するために、気象業務法第6条第2項第1号にいう「その成果を発表するための気象の観測」にあたらないようなやりかたを工夫したという話です。 観測部計画課と調整したという話が書かれていて、そこは真偽を請け合いかねますが、まあたぶんそうなのでしょう。

2013-03-18

3月8~10日の黄砂・風じん関係の特殊気象報

気象庁防災気象情報XML形式で提供されている情報の中に特殊気象報というものがあります。もともとの電報時代は1行程度のきわめて簡潔な電文で、強風、気圧、不連続線の通過など、官署間で総観場のリアルタイムの情報共有をするに値するイベントが起こったときに報じられます。不連続線はフレと呼ばれていて毎度 Untidy Bookshelves さんが解析しておられます。

この中に黄砂と風じんというものがあって、3月8日から10日にかけて多数発信されました。せっかく収集しているのでデータベースから引っ張り出して、こんなXSLTスタイルシートで要点だけ抽出するとタブ区切りファイルができます。これをGoogle Fusion Tableに放り込むと簡単にデータベースができます。

一点留意しておくべきは、黄砂は長時間継続するもので、そういうときは1日1回くらい特殊気象報を出すようにしているように見受けられる点です。事後的に黄砂の消長をきちんと見ようとすれば定時の視程の観測を集計したほうがいいにはきまっていますが、今回は生の情報でもこのくらいは見えるということをチェックしたということになりましょうか。

2013-03-14

libtool とMakefile内の依存関係

身の回りでは Makefile 内の依存関係を作るためにソースコードをスキャンするプログラムを書くことはよく行われるのだが、うわばみさんによるとどうもそれは普通ではないことであるらしい(https://twitter.com/uwabami/status/310003176466161664 以下一連の会話参
照)。

Libtoolって一体なんだろう状態のままでは寝覚めがわるいので、texinfo日本語版らしきもの http://www.bookshelf.jp/texi/libtool/libtool-ja.html を読んでみたが、
Makefileを作ってくれるものではなさそうだ。どうもそこはAutomakeの仕事らしい。
http://www.bookshelf.jp/texi/libtool/libtool-ja_5.html#SEC24

とりあえず。

2013-03-13

気象庁XML利活用セミナーでわかったこと

12日に開かれた気象庁XML利活用セミナーにいってきました。なぜか誰もつだっていませんでしたが大変な人気だったと思います。また気象庁が一般公衆に公開情報の二次利用を例示するなど、画期的なことだと思います。

まあそういったことはおいといて、そこで新たにわかったことをメモしておきましょう。他人事のようなというか、ユーザ目線で書いていて異様に思われるかもしれませんが、私は中の人ではありません。 私も気象庁XMLについては迷えるユーザの一人です。

Report直下Body要素のXSD規定がゆるすぎる件


気象庁防災XMLフォーマットの中核となる文書はフォーマット仕様(ワードPDF)辞書(エクセルPDF)XSDスキーマだといいます。辞書と XSDスキーマは本質的には同じことを書いたものでヒューマンリーダブルなのが辞書ですが、実際に規格策定者は辞書だけ見ているので、注釈は辞書にしかはいっておらず、辞書をリファレンスにする(仕様はその辞書の読み方を説明する)ことが想定されているというあたりは、まあ ISO 19139 にかぎらず世間でよくある光景です。

それでも、構文規則として機械検証可能なXSDを頼りに読もうという人も多いと思いますが、ルート要素 jmx:Report の3番目の子が

<xs:any maxOccurs="1" minOccurs="1" namespace="##other" processContents="lax"/>
(日本語訳すると「なんでもあり」)と書いてあるので途方にくれるという意見があるんだそうです。

しかし今回、 jmx_mete:Body, jmx_seis:Body, jmx_volc:Body のいずれかだけが用いられる現状運用であると明言されました。これで、追っていくことができるようになるので、すこしは安心感が持てるものとおもいます。XSDをダウンロードして使う人は、choice とか any の名前空間列挙になおしたらいいでしょう。

(追記:辞書やXSDの役割は、気象庁XML全体がとりうる構造の規定と各要素の注釈ですが、それとは別に個々の情報種類ごとにきまった構造があります。それは解説資料が規定するもので、プロファイルといってもいいという説明が腑に落ちました。残念ながら、このプロファイルこそが機械可読版があるとアプリケーション開発に大きく力になるはずなのですが、辞書を簡略化したようなフォーマットで書かれていて場所によってスタイルが違い、また「データ作成者が変化範囲を限定することでアプリケーション開発者が備えるべきことが減って助かる」という発想が希薄だったと思われる節があります。ひとつには XSD は名前空間毎に別ファイルなのでファイル管理が面倒になるということもあり、 Relax NG か Schematron を使えば改善できると思います。試しに台風でつくってみたRNCがこちらになります。)

運用整理表は重要

運用整理表は、どんな種類のデータがあるのか一覧することができるとても便利な表です。これに気付かないと、よくわからないので全部受信してしばらく貯めてから /Report/Control/Title を抽出して「ほんとうにこれで全部かなあ」と言いつつアプリ開発、とかいった闇雲になりますが、脱することができます。

ついでに、たぶんほとんどの方に通じないと思われるので、方言的事項の説明

  • 「ナントカ管理表」、は「ナントカ一覧表」のことです。
  • 管理部の「管理」はちょっと違っていて、通信処理、とか、キーといって説明しようとしているのは、せんじつめれば処理または配信先の振り分けのことです。/Report/Control 以下はそのための情報です。/Report/Head と /Report/Body が処理されるべきペイロードです。

サンプルデータ整理表の#数字


サンプルデータ整理表の備考欄に一部 #3④ のような記号が入っていますが、これは項番毎にいくつかのシナリオに沿って継起すべきサンプルが揃えてあって(#3がシナリオ3番)、その4番目という意味だそうです。

Google Alert Hub は5日おきに登録確認をしてくる件


だそうです。あくまで現状の運用と理解するべきだと思います。

Google Alert Hub が POST にも認証情報を入れてくれている件



現行の配信スキームでは、 受信サブスクライバに PubSubHubbub (PuSH)ハブからのアクセスが来た時、その内容が真正の気象庁起源のものであるか知るすべは、AtomフィードURL と hub.verify_token パラメタしかありません。

残念ながら、hub.verify_token パラメタは HTTP GET メソッドによる登録確認時だけで、POST メソッドでフィードが送り込まれる段階では、Atom フィード URL の先頭マッチに拠らざるを得ないということに PuSH プロトコル上はなっていたのでした。

ところが、Google Alert Hub では、POST メソッドのリクエストヘッダ HTTP_X_HUB_SIGNATURE として hub.verify_token をキーにして HTTP リクエストボディから得た HMAC-SHA1 ハッシュ値が与えられるらしいです。PHP での認証コード例が示されたわけですが、いくらなんでもPHPばかりは御助けを…とお考えの諸兄は ruby OpenSSL::HMAC みたいなのは結構あるので適当にぐぐってがんばっていただきたいと思います。

2013-03-12

(WMOメタデータ、議論中)格子データの空間・時間解像度

議論の途中だけど頭の整理のためにメモ。

Xiaobo の質問に Ted 答えていわく、
https://groups.google.com/a/wmo.int/d/msg/cbs-ipet-mdrd/q4p_Vh3I-cE/V3ljcRqNe1EJ

「時間解像度は update frequency とすることもできるが、本当は違う概念。ISO
19115-1 には追加された」

元問いを読み返すにそうなのだろう。私のメールが失当であった。

これはよくある2つの時間次元の問題で、update frequency は発出間隔つまり参照時間の次元における解像度であり、1回の発出で提供されるデータの予報時間の次元における解像度は別概念である。GRIB1のヘッダ粒度での記述しかしないなら予報時間は1点になるからこの問題を逃げることができていただけのことである。

さて最初版 ISO 19139 では
spatialRepresenntationIfo/MD_GridSpatialRepresentaton などしかなく、そこには時間軸は予定されていないということであろうが、実際には MD_DimensionNameType が値 time をとりうるので、 "Spatial" という名前にとらわれなければ、書いてしまうことができる。まあ、べつにいいんじゃないか。

http://toyoda-eizi.net/xmlvw/gmdct_html/http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/ISO_19139_Schemas/resources/codelist/gmxCodelists.xml#MD_DimensionNameTypeCode

2013-03-05

OSCAR - WMO/WIGOS の観測ニーズ・衛星データベース

WMO/WIGOS での観測ニーズ・能力データベース OSCAR
http://www.wmo-sat.info/oscar/ について知った。

WIGOS (WMO Integrated Global Observing System) というのは衛星地上とわず気象観測(宇宙天気も含む)の国際調整をしようというフレームワークで、各使途に応じたニーズにあわせて観測能力を調整するという建前である。

で、その本来用途じゃなくても、次の資料は使えるだろうと思った。

地球観測衛星リスト(測器まで載っている)
http://www.wmo-sat.info/oscar/satellites

分野リスト(WMOの組織上ではなく実効性のあるコミュニティになっている)
http://www.wmo-sat.info/oscar/applicationareas

鉛直層リスト (ISO 19115 の keyword[keywordType="stratum"] として使える)
http://www.wmo-sat.info/oscar/layers

変数(物理量)リスト(CFのそれより比較用に粗くまとめたものと解してほしい)
http://www.wmo-sat.info/oscar/variables

物理量リストとしては次のようなものがあるが、もちろんこれからアップデートされるリストのほうがいいにきまっている。

2013-03-04

ミネアポリスの暴風雪警報(外出への警告あり)

さきの北海道の暴風雪によるいたましい人命被害が報告されている。

考えさせられたのが車が雪に埋まったことによる排ガス中毒で、一般的な解説としては、雪に埋まったらエンジンを止めろという。しかし車両の防寒性など知れたものですぐに凍えてしまう。なので、まずは「大雪ならば命を賭けるに値する理由でもなければ外出してはならない」というところに力点がおかれるべきだと思うのだが、それでも万一天候を読み誤ったときに備え冬場は寝袋か毛布などを用意しておけと誰かに聞いたのだが誰か忘れてしまった。

ちょうど今、米国中西部でも大雪となっているので、ミネアポリス地台は次のような警報文 http://goo.gl/0xvfz を出している。末尾の1段落が外出しようとする者への注意である。

「暴風雪警報は厳しい気象条件が予想されるか現に発生していることを意味しています。相当な量の大雪が予測されており、外出は危険です。真に緊急な場合以外は外出しないでください。どうしても外出しなければならない場合は、緊急事態に備え予備の懐中電灯、食糧、水を車両に備えてください。」

ここでは毛布等を挙げていないが、閉じ込められる可能性があることを伝えれば十分ということだろうか。

==============================================================
URGENT - WINTER WEATHER MESSAGE
NATIONAL WEATHER SERVICE TWIN CITIES/CHANHASSEN MN
913 PM CST SUN MAR 3 2013

...SNOW SPREADING IN TONIGHT AND LASTING THROUGH TUESDAY...

.SNOWFALL ACCUMULATIONS OF 6 TO 10 INCHES ARE EXPECTED ACROSS
MUCH OF CENTRAL AND SOUTHERN MINNESOTA AND FAR WESTERN WISCONSIN
DEVELOPING TONIGHT AND LASTING THROUGH TUESDAY...AS A WINTER
STORM MOVES ACROSS THE NORTHERN PLAINS AND UPPER MIDWEST. SOME
STORM TOTALS COULD APPROACH 12 INCHES DEPENDING ON WHERE PRIMARY
SNOW BANDS SET UP.

THIS SNOWFALL LOOKS TO BE SPLIT UP INTO TWO WAVES OF SNOW. THE
FIRST WILL COME TONIGHT THROUGH MONDAY MORNING...WITH A SECOND
ROUND EXPECTED MONDAY NIGHT THROUGH TUESDAY MORNING. SNOWFALL
RATES ARE EXPECTED TO DECREASE FOR A PERIOD MONDAY AFTERNOON AND
EVENING BETWEEN THESE TWO WAVES.

MNZ043>045-050>053-059>063-068>070-076>078-084-085-093-WIZ014-
023>026-041115-
/O.CON.KMPX.WS.W.0003.130304T0600Z-130306T0000Z/
MORRISON-MILLE LACS-KANABEC-BENTON-SHERBURNE-ISANTI-CHISAGO-
WRIGHT-HENNEPIN-ANOKA-RAMSEY-WASHINGTON-CARVER-SCOTT-DAKOTA-
LE SUEUR-RICE-GOODHUE-WASECA-STEELE-FREEBORN-POLK-ST. CROIX-
PIERCE-DUNN-PEPIN-
INCLUDING THE CITIES OF...LITTLE FALLS...PRINCETON...MORA...
FOLEY...ELK RIVER...CAMBRIDGE...CENTER CITY...MONTICELLO...
MINNEAPOLIS...BLAINE...ST. PAUL...STILLWATER...CHASKA...
SHAKOPEE...BURNSVILLE...LE SUEUR...FARIBAULT...RED WING...
WASECA...OWATONNA...ALBERT LEA...AMERY...BALSAM LAKE...HUDSON...
NEW RICHMOND...RIVER FALLS...PRESCOTT...MENOMONIE...BOYCEVILLE...
DURAND...PEPIN
913 PM CST SUN MAR 3 2013

...WINTER STORM WARNING REMAINS IN EFFECT UNTIL 6 PM CST
TUESDAY...

A WINTER STORM WARNING REMAINS IN EFFECT UNTIL 6 PM CST TUESDAY.

* TIMING: TWO PERIODS OF MODERATE TO HEAVY SNOW EXPECTED TONIGHT
THROUGH MONDAY MORNING AND AGAIN MONDAY NIGHT INTO TUESDAY
MORNING. SNOW WILL SLOWLY DIMINISH TUESDAY AFTERNOON.

* MAIN IMPACTS: SNOW ACCUMULATION OF 6 TO 10 INCHES...WITH
ISOLATED AMOUNTS NEAR 12 INCHES POSSIBLE BY TUESDAY AFTERNOON.

* OTHER IMPACTS: SOUTHEAST WINDS GUSTING TO AROUND 25 MPH MONDAY
WILL RESULT IN SOME BLOWING AND DRIFTING SNOW IN OPEN AREAS.

PRECAUTIONARY/PREPAREDNESS ACTIONS...

A WINTER STORM WARNING FOR HEAVY SNOW MEANS SEVERE WINTER WEATHER
CONDITIONS ARE EXPECTED OR OCCURRING. SIGNIFICANT AMOUNTS OF
SNOW ARE FORECAST THAT WILL MAKE TRAVEL DANGEROUS. ONLY TRAVEL IN
AN EMERGENCY. IF YOU MUST TRAVEL...KEEP AN EXTRA FLASHLIGHT...
FOOD...AND WATER IN YOUR VEHICLE IN CASE OF AN EMERGENCY.

&&

$$

2013-03-01

米NWS水文気象予測センター(HPC)が天気予測センター(WPC)に改称

米NWS発表。
http://www.nws.noaa.gov/os/notification/pns13hpc_name_change.txt

しょうもない個人的感想になってしまうけれど、

・HPC は High Performance Computing の略でもあるのでまぎらわしくなくてありがたい。
・水文気象より天気のほうが広い概念という説明はいまひとつよくわからない。

PTWCのインド洋津波アドバイザリ業務終了

米NWS発表
http://www.nws.noaa.gov/os/notification/scn13-17ptwc_iotwsproducts.txt

2004年のスマトラ津波を受けて、PTWCは暫定的にインド洋域の津波アドバイザリを出す業務をしていたところ、ユネスコIOCの調整のおとでのインド洋地域3国(豪、印、尼)の体制整備を受けて2013年3月31日をもって業務を終了するとのこと。
基本的には当庁と同じ流れです。