2018-06-27

Top500/Green500 と気象庁のスーパーコンピュータ

気象庁では6月5日に新しいスーパーコンピュータの運用を開始したところです。
http://www.jma.go.jp/jma/press/1805/16b/20180516_hpc_renewal.html

今月はちょうど、世界のスーパーコンピュータのランキングとして有名な Top500/Green500 が発表されたところですが、そこにも気象庁の新スパコンが掲載されています。

Top500 は浮動小数点演算能力のベンチマークとして LINPACK という行列計算をするもので、そこで25位、26位(Rmax = 5.7 ペタフロップス)となっています。
https://www.top500.org/list/2018/06/?page=1
二台あるのは、休みが許されない業務のため、同一規模の主系・副系に分かれているためです。
二種類性能が載せられているうち、Rpeak (ピーク性能)というのがプロセッサ(インテルXeonなんとかという所、皆さんのパソコンにも1つくらいは入っているもの)の個数と性能をかけたものです。
Rmax (実効性能)というのが LINPACK が実際にプログラムが動いた性能です。

ツイッターで気象の専門家から言及がありましたが、欧州中期予報センター(ECMWF)も二台構成の類似機種を持っていますが、新しい気象庁の機械のほうが大きな性能値になっています。
また、有名な京コンピュータは16位(Rmax = 10.5 ペタフロップス)で、二台構成ではありませんから、気象庁の二台をあわせれば京コンピュータより大きな性能値ということになります。
まあ、特に気象以外の計算機の場合は設計が異なりますから、あまり単純な比較には意味は乏しいところです。

Green500 は Top500 掲載のコンピュータについて、 Rmax ÷ 消費電力 をランキングにしたものです。
気象庁のスーパーコンピュータは32位、33位になっています。
https://www.top500.org/green500/list/2018/06/
私が解説できるようなことではありませんが、まあそれでも上位のコンピュータをみていけば、プロセッサの種類が違っていることがみてとれます。
これも、電力効率を狙って設計すればそうなるということであって、大容量のメモリを必要とする流体シミュレーションで同じ設計をとることが有利かということはまた考えどころであるわけです。

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