2013-04-17

[CF-Metadata] 分光●●という量は波長あたりか波数あたりか周波数あたりか、より一般的には何をもって物理量を同じとするかの問題

CFメーリングリストで標記問題のスレッドが起こっている。

発端
http://mailman.cgd.ucar.edu/pipermail/cf-metadata/2013/056412.html
大御所ジョナサンの方針呈示
http://mailman.cgd.ucar.edu/pipermail/cf-metadata/2013/056413.html
http://mailman.cgd.ucar.edu/pipermail/cf-metadata/2013/056416.html
実務者の賛意
http://mailman.cgd.ucar.edu/pipermail/cf-metadata/2013/056415.html
http://mailman.cgd.ucar.edu/pipermail/cf-metadata/2013/056419.html

ここで示された方針は、標準名の表に単位が1つしか書かれない以上、2つの計量の単位が物理的次元を異にするようなときは、同じ標準名のもとに収容すべきではない、ということであり、要は

物理的次元が異なる量は異なる物理量とする (※)

ということである。まあ、そうするほかない。逆の裁定がでたら、規定を全部換えたうえで m.s-1 単位の鉛直速度といわゆるωの違いはなくするということだな、と詰め
寄らねばならないところであった。

さて、※は違いだけを書いていて、任意の2つの計量が同じ物理量と判定できるような条件をあたえない。「物理量とは同じ現象に対して同じ単位を持つ計量である」といった安心感あふれる言い方はおそらくできない。同じ現象かどうかに争いがあるのが常だからである。

たとえば単位が同じケルビンであっても、気温と温位と相当温位は常識的に区別されるし、偽断熱相当温位と可逆相当温位を区別する向きもあるだろう。実務上、ホルトンの相当温位とボルトンの偽断熱相当温位を区別せねばならないことは多い。

全部区別すればいいじゃないかといわれるかもしれないけれど、ちょっと修飾語がつくと違った仕切りになるということはままあって、温位時間変化率と相当温位時間変化率を同一視する(同じハコに入れて管理したい)といったことは考えられなくもない。

残念ながらそこに銀の弾丸はないので、用途しだいでございますといって明解な理論なく終わる。

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