2016-10-31

気象学会春季大会予稿集読んだメモ

要約や感想は私の個人的なものです。著者に頼まれた紹介ではありません。

A106 地上稠密気象観測による突風予測システムで用いる気温減率閾値の検討(明星電気 岩下ほか)
        昨年の続き。おそらくは北関東で実用化しようとしているのでしょう。

A108 暖候期の日本周辺における発雷効率の特徴(群馬大学 岩崎)
        WNLLNから落雷位置を取得している

P179 日本域の歴史的観測データのデジタル化(東大海洋研 小山ほか)
        データレスキュー。函館、東京、神戸、福岡などふつうの官署の観測値は気象庁ホームページでもあるていど見られるが、毎時観測値は1960年代以前はデジタル化されていないという。

P320 正二十面体格子全球非製力学モデルにおける単精度の可用性の検討〜傾圧不安定波(海洋機構 中野ほか)
        メモリバンド幅が律速する現代の計算機では単精度化の効用が大きいという話。
        どうしても倍精度でなければならないところ以外を単精度化する調査。
        ベンチマークは Jablonowski テスト dx.doi.org/10.1256/qj.06.12

A356 RSMC Tokyo による台風強度の発表予報の誤差と環境場の関係(琉球大 伊藤ほか)
        現行の発表予報スキームに海水温などによる補正を行うことで精度を改善できるという。
        こういう研究は大変ありがたい。
        京大生存圏の GSM 解析・予報値データベースを使ったという言及があることにも注目。京大≠琉大 というところが超重要で、
        オープンデータ → 利用者による研究を創発 → 気象庁へのフィードバック
        という正のサイクルの教科書みたいな事例なのね。

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