お昼休みに「曇り」の定義についての twitter での議論をちらっと見かけました。
同じ定義が世界であまねく用いられるとよい、という発想と、既に混乱しているという知見があるようでしたが、知らない人はわからないだろうので、ファクトシート。現状どうにも簡単ではありません。
●7オクタス以上を曇りとするもの
・日本(観測)
十分率雲量が9以上の状態を曇りといいます。オクタス(八分率雲量)でいうと7以上にあたります。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq13.html
曇りのうち、上層雲が過半を占める状態を高曇りといいます。
・日本(予報)
予報でも晴れと曇りの境は十分率雲量9以上が曇り、というのはかわりませんが、高曇りは晴れに含めています。
気象庁 予報用語 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/tenki.html
・米国
definition cloudy でぐぐると米国気象局の用語集が上位に出てくる。最新か、どのくらい通用するかは請合いませんが。
http://www.crh.noaa.gov/glossary.php?word=Cloudy
●6オクタス以上を曇りとするもの
・WMO(WWIS 公衆予報)
WMO 世界天気情報センターでは雲量と天気の対応表を公開していて、これもステータスは不明ですが、6オクタス以上を cloudy に配当しています。
http://worldweather.wmo.int/oktas.htm
香港気象局が運営しているけれど、これはWMOの事業です。
ただ、WWIS が流している天気予報における partly cloudy 概念が、ある瞬間における雲量で定義されるかというと、天気記号表をみると、どうやら時間軸における partly, mostly と区別せずに受け取ったテキストを使っていることを強く示唆する様子になっています。
http://worldweather.wmo.int/en/wxicons.html
●5オクタス以上を曇りとするもの
・WMO(SYNOPの過去天気)
これは厳密には cloudy のような概念ではないのですが、SYNOP 通報式で報じられる過去天気では、直近 synoptic hour (00, 06, 12, 18 UTC)から降水や霧などがない場合、雲量の動向を報じます。
そのとき more than half of the sky であるかが問われますので、これを真面目にやろうと思ったら、目視観測のたびに5オクタス以上であるか否かを記録しておかねばなりません。
https://badc.nerc.ac.uk/data/surface/code.html
●4オクタス以上を曇りとするもの
・WMO(国際気象用語集)
WMO No. 182 Interntaional Meteorological Vocabulary は 「cloudy sky」を4オクタス以上と定義しています。
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