情報元:
https://groups.google.com/d/topic/wmo-ipetmdi/y676sQkiWXY/discussion
採択されるべき文書
https://portal.opengeospatial.org/files/?artifact_id=50139
文書が公表されているとは知らなかった。背景概観:
・OGC 標準リスト http://www.opengeospatial.org/standards/is をみると、netCDF関係では既にファイルフォーマットが2件(クラシック形式とNC4)成立していて、これに CF が加わって初めて完成ということに
なる。上記いずれもISO化はいまのところ具体化していないはず。
・WMOでの作業について、スティーブは婉曲に relevance といっているが、もちろん関係ないわけがない。理想的には、CF(気象学界)と通報式(現業気象界)の対比総合を、さらに地理情報の言葉で表現するという二段階の離れ業が求められる。実際には一段階もできればいいところなのではあるが。
内容面、CFと地理情報の世界のつきあわせというのも、見ていておもしろい:
・まず、規定と抽象テストスイートの対からなる構成は、まあよくがんばったんだろうと思う。
そもそも、ファイル形式の標準と異なり、CFは意味と表現形式を対応付けるものだから、本質的に困難がある。形式はテストできるが、「座標Xに値を与えた俺の意図」なんてものはコンピュータにかけられないので、意味をテストすることはできないからだ。
さはさりながら、無限定の netCDF に比べて、CF準拠のデータセットには相当の形式上の限定がある(あたかも、無限定の XML に比べて XHTML 文書には相当の形式上の限定があるよう
に)のだから、そこを確認することはできるし、テストスイートの仕事はそれでいいのだ。
規定本文では全力で意味的規制をしておいて、テストでは形式上テストできることに抑制する書き分けは、いままでのCF文書にはなかったのだから、いくらCFチェッカという先行知見があるにしていも大変だったろうと思う。
ちなみに、WMOコアメタデータプロファイルでは、そういった書き換えが容易でないので、いちど規定本文を御破算にして形式的テストだけから組み直している。決してほめられた話ではないが。
・まあ、たまには不思議なところがあって、鉛直座標変数の単位は、圧力・長さに加え「ある条件のもとでは」密度や温度「など」も使える「かもしれない」(may)という輪郭のふやけた要件が「ねばならない」(shall)で強制されるというのは、いったいどう実装したらいいのか私にはわからない。
・水平軸 X や Y が複数あってはいけないという規定がないようだが、それを言い出すと時間軸 T が複数という例がでてきて時間軸の使い分けに話が発展し、WCS方面に引火
して収拾がつかなくなるのでいわないのだろうと思った。
・投影面上の格子を表現するための記法は、CF1.4あたりからの伝統的な形式によっている。測地系を特定せず、地図投影法だけを指定する、気象界独自の伝統(?)である。
GISユーザからこれでは困るという声はあるのだが、CF形式との差分が何であるかを説明できる者がおらず、WKTをそのまま入れればいいじゃないかというコメントになって、失速してしまった。極端には、WKTだけをメタデータとして入れればよく、CF形式の投影法記述を廃すればよいという声もあったように思うが、今回のOGC標準の成立によって、そこまで破壊的にはならないという一定の歯止めがかかったといえよう。
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