2012-11-14

色覚についてのメモその4:NWSの配色

前項の続き。まずは準備、第三異常の混同色軌跡を描いてみる。
第三異常の混同色軌跡(カラーサークル視点)
(放射状というよりは平行な線に近いのに驚く。これは、RGB空間が人間の視覚の限界の実に狭い一部しか表現していないことを意味している)
つぎにこれがなるべく点に近くみえるようにRGB立方体を回転してみる。


次のようなところであろう。この配置で色空間を見て、距離があるように見える2点は、おおむね第三異常で弁別できるものと思われる。この図の両端は赤とcyan(浅葱色)だが、赤葱ではわかりにくいので、赤緑視点とでもいうことにしよう。
第三異常の混同色軌跡(赤緑視点)
さて次は、NWSの降水量マップの図 http://www.hpc.ncep.noaa.gov/qpf/zoom/Rainfall_Day_1.gif の配色をプロットしてみる。
NWS降水量マップの配色(カラーサークル視点)

まあ、もちろん個々の点を追っていけば弁別可能ではあるが、蛇のようにうねうねとして、明暗いったりきたりしているし、おおむねカラーサークルに沿ってはいるものの、青のところではループをまいたり、不思議な曲がり方をしている。
ところが、それが青黄視点になると意外とすっきりした形になる。折り返して色立体の周縁を2週するような形なのだ。近い場所を2度通るので、それは近い色に見えてしまうはずだが、対象とする図がアメダスのような地点ではなく、GPVから描画した図なので、あまり遠い階級が隣り合って描画されるはずはなく、また数値も補われているのでさほど不自由は感じないものであるらしい。
NWS降水量マップの配色(青黄視点)
さらに、赤緑視点にしても、かなり弁別性が高そうだ。緑側(小さめの降水量に対応)で往復しているようなところがあるが、数値の大きな赤側では往復もなく、純然と色立体の淵を一筆書きしている。
つまり、この降水量マップの配色は、三色視および3種の二色視の方のいずれもがそれなりに弁別性よく見ることができることが強く示唆される。
NWS降水量マップの配色(赤緑視点)
第三異常を想定した赤緑視点を決めたので、新アメダス気温図の配色についても検討してみよう。
プロットしてみると、こちらも周縁のちかくをまわっている。決して第一・第二異常限定の想定ではなく、第三異常の方々にとっても少なくとも全滅ではなく方向感のあるグラデーションに見えそうなことがわかった。
(残念ながら、白付近はちょっと詰まっている。これはあるていどやむを得ないと考えているのかもしれない。)
新アメダス気温カラーコード(赤緑視点)

うまいな、と思うのは、第三異常の方は青が黒っぽく見えるのに対し、第一異常の方は赤が黒っぽく見える。この配色では、それぞれどちらか一方だけが黒っぽく見えるようにして、黒-白-黒にならないように工夫しているといえる。


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