2013-03-19

気象学会機関紙「天気」2013年1月号を読んで

1月号がウェブに出てきたので
http://www.metsoc.jp/tenki/result.php?no[]=1&volume[]=60&page_max=50&sort=ASC
読書ノート。

・巻頭言(新野宏)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0003.pdf

ぼやっと読むと、公益社団法人たるために不特定多数に裨益しなければならないと言われたから、ジャーナルをオープンアクセス化するというロジックにみえてしまうけど、時系列をよくみれば学会が内閣府に指導されたという図ではないことがわかる…はず。

学会費払ってない人に裨益するのはけしからんとか心の狭いことを言う人がいたらこれからの情報流通を考えるとオープンアクセス化しないことは自らの価値を棄損するだけとがんばってほしいです。

・気象観測史的に見た気象官署における1958年2月11日のオーロラー観測(二宮洸三)


http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0021.pdf

さりげなく「IGY当時は有人気象官署が最も拡充された時期であり」と書いておられるのが胸に刺さります。

1960年代のスタイル、あるいは観測から予報まで人手による業務をアプリオリの価値とするならば、ここ50年間は後退戦ともいえます。が、感傷にひたっていても何も生まれません。ひとまず現場としてはどうやって文明を維持していくかと考えなければなりません。

本題についても考えさせられるところです。参加することに意義がある、で済ませるわけにはいかないでしょうから。

・気象観測とデータ(二宮洸三)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0037.pdf

「2.気象観測の目的」が印象的です。今は防災にとにかく重点がおかれるわけですが、必ずしもすべてが防災だけではないし、「約1世紀以前では、国土自然環境の基本情報である気候状態の把握が重要な目的でした」というのが目を開かれる思いがします。そういえば函館は最初「気候測量所」と称したし、東京気象台は内務省地理寮だったわけです。

・北極低気圧(田中博)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0043.pdf

熱帯低気圧、温帯低気圧にならぶ第3類型として教科書にあげられるべきというんです。


寒気核で乾燥しているって、惰性で回転しているだけなんですかね。

・地域気象観測ネットワーク「学校気象台」—岩手大学発信地域連携事業— (名越さんほか)
http://www.metsoc.jp/tenki/pdf/2013/2013_01_0057.pdf

政府機関または地方公共団体以外の方が、観測結果をインターネットで提供するために、気象業務法第6条第2項第1号にいう「その成果を発表するための気象の観測」にあたらないようなやりかたを工夫したという話です。 観測部計画課と調整したという話が書かれていて、そこは真偽を請け合いかねますが、まあたぶんそうなのでしょう。

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