1.ピクセルサイズ
手元の端末で地理院地図を開いてタイルグリッドにモノサシをあててみると
PC(一例): 296mm/1024px = 0.289 mm/px = 87.9 dpi
タブレット(Asus Z380KNL): 137.7 mm/768px = 0.1793 mm/px = 141.7 dpi
ものによって何割かはちがいますが、そんなことを言っていても話がまとまらないので、仮に 0.28 mm/px = 90.7 dpi を前提とすることにしましょう。
根拠は OGC WMTS (OGC 07-057r7 http://www.opengeospatial.org/standards/wmts) Annex E です。
2.WMO 制式地図縮尺
参照: Manual on GDPFS, 2017 ed.: https://library.wmo.int/doc_num.php?explnum_id=4246
(1)投影法パラメタ(標準緯度)
a.ステレオ図法: 60°
b.ランベルト正角円錐図法: (10°,40°)または(30°,60°)
c.メルカトル図法: 22.5°
(2)縮尺
a.世界図: 1:40M または 1:60M
b.半球図: 1:40M または 1:30M,1:60M
c.広域図: 1:20M または 1:25M,1:30M,1:40M
d.局地図: 1:10M または 1:25M,1:20M,1:15M,1:7500k
(3)リアリティチェック
WMO は紙の大きさをどの程度だと考えているのだろうか?
メルカトル図法で1:40Mの世界図を描く場合、標準緯線22.5度の長さは
2π×6371km×cos(22.5°) = 36,983.1 km
→ 92.4 cm (1:40Mの場合)、61.6 cm (1:60Mの場合)
この制式どおりにやろうとすると、製図台いっぱいの紙が必要になります。そういう業務を念頭においた規定だということです。
3.対比
ウェブメルカトル図法の標準緯度は、 EPSG:3857 登録(https://epsg.io/3857)をみると scale_factor = 1 とあるので、形式上は赤道ということになるのだろうが、この数値が使われているのを見たことがないので、とらわれることはないと思う。
ウェブメルカトルの各ズームレベルを、ディスプレイ 90.7 dpiを前提として縮尺に換算してみましょう。
ズーム 縮尺
0 1:516,000,000
1 1:253,000,000
2 1:129,000,000
3 1:64,500,000 世界図相当
4 1:32,200,000 半球図相当
5 1:16,100,000 広域図相当
6 1:8,060,000 局地図相当
まあ、大き目のディスプレイを使っていれば、そんなもんかなと思わなくもない対比だし、モバイルデバイスではちょっとずれた感があろうと思います。
そのぶん、たとえば各地点の表現が変わらなければならないということでもありましょう。
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